コロナ禍の連休は読書

日本のゴールデンウィークも、昨年に続き今年も出来るだけ外出は避けるよう各知事が呼びかけているが、ここドバイでも1週間遅れの連休だが、海外に旅行に行くという人はあまり聞かない。
と言うことでジムとかプールに行く以外は家で読書をすることにした。
読書とはいえ、本当の本を読むのではなくiPad-miniでの電子書籍だ。これはいい、海外に居ると紀伊國屋書店などで買うと少なくとも日本の倍の値段であるが、電子書籍は日本で買うのと同じ値段である。
それからiPad-miniは読書には丁度いい大きさでなのでお勧めだ。

アメリカの戦場記者である、リチャード・エンゲルさんという人の書いた「中東の絶望、そのリアル」という本は、何冊か日本人の中東専門家の書いた本より断然面白い。
1996年から2015年までの約20年の間に、エジプト、イスラエル、イラク、レバノン、シリアと戦争の激しい都市を渡り歩いた、アメリカの新聞記者の記録である。

エジプトのルクソール事件、エルサレムでのパレスチナのインティフィーダ、イラク戦争、シリアの内戦など先日ミャンマーで捕まった日本人記者やISに捕まった数々の記者と同様に、筆者もシリアで誘拐されたり、イラクの部屋では爆撃されたりなど経験する中で、どのように生き残り、記者魂をかけて色々な人からインタビューをして記事を発信していくのだ。

アメリカの戦地に派遣されるほとんどの兵隊同様、この記者もPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えて生きることになったとの事で、戦場がいかに過酷かと言うのがこの本を通してよくわかる。
その中でブッシュ元大統領やオバマ元大統領を厳しく批判しており、ISが出来たのはブッシュのイラク戦争の失敗の結果であり、シリア難民が多く出たのはオバマ大統領の政策の結果といってる。

まさに中東のリアルが書かれた本だが、英語のタイトルは「そして、全ての地獄が解き放たれた」である。
中東の問題は宗教だけの問題ではなく、民族や土地や欧米との関係や政治体系や貧富の差など様々な要因が複雑に絡んで起きている問題であるということがよくわかる本である。

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